■ 炭素と隕石 ■
「生命とは何ですか」求道士が質問した。
シュタイナーは答えた。
「精気が宿って進化する物質を生命と呼ぶ。生命が生まれるには源となる炭素が必要である。初期宇宙には炭素がなく、熱核融合によって水素やヘリウムから原子を生み出し、徐々に様々な物質を生み出した。
炭素原子は恒星の核で生成され、恒星の終焉によって銀河の中に大量に播種された。炭素は水素、酸素、窒素を従えて生命の化学反応を引き起こし、多様な有機物を作り出した。そのため、炭素は全ての生物の源として存在する。化学の周期表を見ればわかるが、炭素原子は生命の材料を作るため、他の元素と結びつきやすい原子構造をしているのである。」
「生命の誕生はいつですか」
「宇宙ができてから100億年後のことである。生命の材料が整うと、地球だけではなく炭素と水のある全ての惑星に精気が注ぎこまれた」
「精気はどのように注がれたのですか」
「隕石である。火星と木星の間にはカーフトの海と呼ばれる空間があり、セレスなど無数の小惑星が存在している。そこの時空には大量の異次元容力が貯まっている。宇宙は意思を示すとき、カーフトの海から隕石を地球に送りこむのである。」
「なぜ隕石なのですか。」
「隕石の物質エネルギーと運動エネルギーは膨大だ。大陸や海洋を変貌させる力を持っている。そこに精気が働いて地球の生命活動に大きな影響を及ぼす。また、精気は生命体の進化を促すのである。」
「大陸や海洋はいつ形成されましたか」
「40億年前である。精気を含んだ無数の隕石は地球内部の鉱物エネルギーに作用し、マントルの温度を上昇させ、地球の磁気エネルギーによって一様だった鉱物分布にゆらぎを作った。精気が生命エネルギーに変換されるに伴い、地球は徐々に温度を下げていった。その結果、鉱物分布の均一性が失われて大陸と海が作られたのである。」
鉄隕石(隕鉄) 主に金属鉄(Fe-Ni合金)から成る隕石。数百万年の時間スケールでの冷却によって生じるウィドマンシュテッテン構造が特徴的な模様として現れる。地域によっては、農具などに利用されていた。稀に、刃物に加工されることがあるが、通常の鋼材と違って焼き入れが難しいため、刃物には向かないとされる。また、日本式の「鍛錬」は困難である。 |
「隕石は進化に影響を与えるのですね」
「隕石はそれが持つ物理エネルギーと精気で、生命の本質であるDNAの創生や改変に大きな影響を与える。原始の地球には炭素と水、水素、窒素が多く、アンモニアとメタンなど、生命の基礎となる無機化合物や単純な有機化合物が満ちていた。
その地球に隕石雨とともに大量に隕石が注がれた。隕石の物理エネルギーから変換された電気エネルギーによって稲妻が発生し、稲妻に含まれた光エネルギーと精気が無機化合物や有機化合物に作用して生命体が生まれた。生命体には精気が生命エネルギーとして蓄積されているのである。」
サンスカラーの法理/水の惑星
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